恋愛偏差値$完
「じゃぁ…お願いします」
本当は手伝わせてはいけないのだけど。
話を進めるためのっ!
柚菜流、恋愛テクニカルよっ!!
ボールをきゅきゅと磨きながら。
手を動かして愛想笑い。
「あっあの!伸先輩は梓先輩と仲良しですよね?」
あたしが梓先輩を狙っているってばれていると思う。
でも、もうそんなことどうでもいいや。
「……これで、梓狙い10人目~♪」
「むがっ」
伸先輩があたしのほっぺを引っ張る。
よく伸びる、やわらかいと触られる頬をいろいろな方向に伸ばす。
「いひゃっいひゃいですー」
痛い、痛いと磨いていたボールをはなして、伸先輩の手をどうにかしようとする。