恋愛偏差値$完



「柚菜寒くね?」


ほわっと温かい感覚が首をおおった。



伸先輩がマフラーを巻いてくれた。




「ありがとございま……」


「ガッデーーーム!!」




ガッデムとは呪うとか畜生とかそんなかんじの意味…



後ろのストーカーがあたしと伸先輩の間に入ってきた。



ストーカーがあたしの肩をがっしりつかみ、つばの飛びそうな勢いで、



「あの男になんかされてないか?!」

「え、ええと…」


ストーカーの予想外の行動。



「おい」



伸先輩がストーカーの肩をつかんで自分の方向に向かせた。



そのとたん、部員のひとたちが飛び出して来る。




「ガッデ-ム!!」

「こんちくしょー」


「ちょっと!ストップ…」



あたしが気づいたときにはもう遅い。



みんな、ストーカーを縛り上げている。




ちょっと、そのひと……


「あたしの、お兄ちゃん……」
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