恋愛偏差値$完


いきなりやって来たお兄ちゃんにこんなこと言わせるもんですか。


あたしと家族のことほっといて、アメリカに行ったくせに。



「とりあえず…真相も明かされたことだし、帰っていいんじゃないかな。今日はこれで解散。明日は八時からね」


梓先輩がやんわりまとめてくれて、部活は終わり。


あたしとお兄ちゃんと梓先輩と伸先輩は部室に残った。



「きっキミ!」



お兄ちゃんが梓先輩の手を握った。


両手で、それもがっちりと。



「きっと、キミみたいなひとなら柚菜を任せられる!柚菜のこと、よろしくできないかな?」


はぁぁ~?

お兄ちゃんたらなに言ってるのよ!梓先輩だって困ってるのに。




「よろしく、と言われましても…僕は柚菜ちゃんに振られてまして」


「えぇ?!」


なんでそんないらんことまで言っちゃうの?!


「そうですか…それは残念です。じゃぁ…」


梓先輩の以外のひと、伸先輩を見たけど、そのまま視線を戻した。



伸先輩にとっては、とっても態度が悪いただのおっさんよね…



「いいか、柚菜。こんなヤツには絶対ハマってはいけないぞ。こんなヤツに限って裏でなんかしてんだ」


こんなヤツとは伸先輩のこと。



伸先輩のことこんなにバカにして、許さないんだから!!



「お前には絶対こーゆーヤツのがお似合い…」


「お兄ちゃん!」
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