恋愛偏差値$完




「もうっ、お兄ちゃんたら…」



さっきからあたしはぶつぶつ独り言。



「いったい、なんなわけ……?」



気配を感じて、あたしは足を止めた。


後ろの足音も同時に止まる。



ストーカー……?


ストーカーはお兄ちゃんじゃないの……





逃げなきゃ…


あたしは自慢の足で走り出す。


けど、ストーカーのほうがもっともっと速いみたい。




「ぅわっ」


石につまずいて転んでしまう。



こんなことなら、お兄ちゃんとけんかするんじゃなかった。


ちゃんと、いつもみたいに伸先輩と帰ればよかった。



街灯に照らされて、ストーカーの顔が明らかになる。




うっっわ……。



デブな脂汗のすごいおっさん。


デブのくせに足が速いと思ったら、キックボードのおかげ。




「やっと…つかまえた♪」



きーもーい!!

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