恋愛偏差値$完
ストーカーは荒い息遣いで、キックボードから降りた。
気持ち悪い顔であたしを見下ろす。
「はは~。やっぱボクチンが目つけてたようにかわいいね。ちょぉボクチンの好み★」
そう言って、あたしに手を伸ばしてくる。
「…触んないで」
「は?」
「大声でさけんでやるんだから!」
ストーカーはあたしの言葉にひるんだ。
元カレもあんなふうに痛い目合ったんだから…!
「きゃっ」
ひるんで、もうなにもしてこないと思ったのに、あたしの上にのしかかってくる。
気持ち悪い息を近くで感じて、あたしはぞくっとした。
「大声無意味だよん。ボクチンから逃げるのも無理だよん」
「っ…!!」
「柚菜っっ!」
お兄ちゃん、後ろから伸先輩がやって来た。
た、助かった…。