恋愛偏差値$完
お兄ちゃんはあたしの上からストーカーをどけてくれた。
それから伸先輩がストーカーの胸ぐらをつかんだ。
見事な連携プレー。
「柚菜だいじょうぶか?!」
「だいじょーぶ。…ええと…」
伸先輩にやられて、のびたストーカーを見てほっとした。
伸先輩が警察を呼んでいる。
「あっあたし…怖かった」
「一人で、飛び出して行くからだろ」
あたしは泣いて怖がっているのに、なによ。その冷たい言葉。
「お兄ちゃんが悪いんじゃない!!」
「…うん。ごめん」
え、素直?
「お、お兄ちゃん…」
ぷ。
あたしは思わず笑ってしまった。
「おいー?」
「あ。ごめんごめん。お兄ちゃんめずらしく素直だったから…。あのね、あたし、言いすぎちゃって後悔してる…。ごめんなさい」