恋愛偏差値$完
あたしはにっこりして、
「美由ちゃんのこと?」
「ばっ、大声で言うなよ!」
って、口をふさがれた。
「あ、あいつさ、危なっかしいじゃん?だから、あの、その…」
こんなにあせってる尋くん見るの、初めて。
恋ってひとを変えるものなね。
「うん。尋くん…わっ」
伸先輩がずかずかと近づいてきて、あたしを持ち上げた。
尋くんに口をふさがれていたから、伸先輩が誤解した、とか?
「おい」
「あっ。美由ちゃんだ!ほら、尋くんっ!!」
抱き上げられたままあたしは尋くんに助言をした。
「がんばってね!ええと、ばいばい」
伸先輩はあたしを持ち上げたまま、部室に進んでいる。
男の子って、軽々と持ち上げるものなんだ…
伸先輩があたしの体重をかかえている。
両手で横腹を持たれて、あたしはぶらさがっている状態。
やば…今頃意識してきた。