恋愛偏差値$完
「あの…?」
黙ったままあたしをベンチに降ろし、伸先輩は顔をそむけた。
なんかした?
伸先輩怒ってるよ?!
「またあいつ、柚菜に触ってンじゃん…」
「あっ!違いますよ。尋くん、恋したみたいで。相談に乗ってただけです」
「その相手って、お前?」
あたしはきょとんとして伸先輩の背中を見つめた。
もしかして…妬いてくれてるとか?
って!ありえないよね。あたしたち、そんな関係じゃないのに……
「あたしなわけないじゃないですか。今日新しく入った、マネの子ですよ」
「………」
伸先輩はズルりと壁に寄りかかった。
「先輩?」
「びみょにあせった。お前、モテるし。尋と仲いいし」
これはどーいう意味?
あせったって……
「それは、先輩……」
期待してもいいんですか?