恋愛偏差値$完
今日も、一人でとぼとぼと学校に行く。
伸先輩がいないとつまんない。
「……柚菜さん?」
なつかしい声があたしを呼んで、あたしはふりかえった。
「ええと…なおとくん??」
あたしが中学二年のときの後輩。家が近くてよく遊んでいた。
「あっ、柚菜先輩か!おはようございます。久しぶりですね」
「おはよう。久しぶり。戻ってきたの?」
なおとくんが転校して遠くに行ってから、それ以来話していない。
二年ぶり?
相談に乗ってもらったりしてたけど、自分のことばっかりだったから、弟としか思ってなかった。
でも…声変わりして、身長もとっくにこされちゃって、弟じゃなくて…
もうちゃんとした男。
「この学校に柚菜先輩が入ったって聞いたから、俺もこの学校に入ったんですよ」
無邪気な笑顔は変わってない。
今日の朝はなおとくんがいたから、いつもよりさびしくなかったかも。
なおとくんとは、思いで話に花が咲く?みたいな。