恋愛偏差値$完
伸先輩はあたしの肩に手をまわし、あたしを引き寄せる。
あたしと、伸先輩の顔が近い……
「そんなんでいいの?」
「??」
ドキドキする胸を押さえつけて。
先輩が言うことをしっかり聞いて。
「恋愛テクニシャンの柚菜ちゃんが経験もないのにそんなこと言ってて、ねぇ?…恋も叶えることもできない臆病もの?」
先輩ってひとの弱みにつけこむのがトクイなんですね。
あっさりK.Oのあたし。
「じゃあ明日の朝、迎え行くからね。マネージャー」
マネージャーの仕事が終わって、家まで送ってくれた伸先輩。
"明日の朝迎えに行く"
耳もとでささやかれた。