恋愛偏差値$完
マイクの独特の音が聞こえてきて、なおとくんの堅苦しいあいさつが始まった。
重大発表にいたるまで、すっごく長かったと思う。
あたしの体勢も、疲れてきた。
『と、いうことで……俺、幼なじみの月島柚菜さんと婚約することになりました』
………はっ?!
『それが今回の重大発表なのです』
あたしはあいた口がふさがらない。
どうして?そんなの勝手に??
『許可は柚菜さんの母上からいただきました★』
「お母さんのばかー!」
思わず、テーブルの下から出てきてしまった。
大声で大注目を浴びる。
「柚菜…?」
足元にいるあたしをびっくりしたような目で見つめるのは伸先輩。
伸先輩を見上げようとしたけど、まぶしくて見えない。
あたしを捜していた照明がいっきに集まった。
『このかたが婚約者の月島柚菜さんです』
出てくるんじゃなかった……。