恋愛偏差値$完
「はぁっ…ちょっ、まて…くださっ」
あたしは息切れ切れに話した。
警備員に追われて、全力疾走。
セットした髪も、ドレスもへちょんへちょんになってしまった。
「さすがにここまでは追ってこねぇだろ」
さすが。サッカー部で鍛えてることはありますね。
あたしを引きずって来たのに、息切れすらしていない。
ここは公園。
ライトがともるほどの暗さで、子供も誰もいない。
「足、だいじょぶかよ」
「へ?!足?」
いちおう、運動のトクイなあたしの息切れはもう元どおり。
伸先輩はあたしをベンチに座らせて、しゃがみこんだ。
「慣れないヒールなんか履くからだっつの」
「それはなおとくんちから借りてて…」
だから、あたしのせいじゃないもん。
「ふぅん…。そのドレスも?」
伸先輩はあたしのとなりに座った。