恋愛偏差値$完



「すべて、借りました」


「へぇ…」



そうつぶやいて、あたしをじろじろ見る伸先輩。



胸の大きく開いたドレスだから、ミニ丈だから恥ずかしいんですけど……



「なかなか似合ってんじゃん」


「え?!……先輩、酔ってます?」



思わずそんなことを聞いてしまった。


だって、普段の先輩からは想像もつかないんだもん。



「…あのなぁυ」


「でっでも、伸先輩のほうがかっこいいですよ!」



いきなり…だったかな。



「スーツとかすっごくお似合いで…そういえば、どうしてあのパーティに参加してたんですか?」


ずるっと伸先輩のひじが落ちた。


悪いことでも聞いちゃった?



「……。金持ちのパーティに俺が参加しないワケねーだろ」


「??」


お金持ちパーティに伸先輩が。どうして。



「お前、知らなかったの?」


「???」





「…俺、久穏財閥のあととりなんだけど?」


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