恋愛偏差値$完
久穏財閥って……
「あのっ、久穏財閥?!」
「何回も言わせんなよ…つか、お前、今まで知らなかったの?」
「え、だって、えと。この学校フツウじゃないですか…」
だって学校、私立じゃないし。お金持ちって、お金持ち学校に入るもんじゃないの?
「ん?それならあいつだって同じじゃんか」
「なおとくん…」
も、お金持ちだったんだ。忘れてた。
「俺は、サッカーがしたかったから。家のことなんてどうでもいいし」
「どうでも、いいんですか」
伸先輩がサッカーばかだってことはわかるけどさ。
「て、ゆうか…お前のカッコすごすぎ」
「へ?」
「見えてる…」
見えてる…?
スカートをみると、ミニ丈ドレスのすそが折れていて、あたしのふとももがますます見える。
「っ、きゃぁぁー!」
あたしは伸先輩を突き飛ばした。
あたしも止まらず、伸先輩の上に倒れる。
ベンチがひっくり返って、ベンチの後ろは噴水。
バッシャーンといい音が響いた。