恋愛偏差値$完
ドアに近づいたけどドアの鍵は閉まっていた。
やっぱり、と思い、携帯を取り出す。
「う、うそぉ~」
圏外って……
深いため息をついて、腰かけた。
美由ちゃんへの手紙って、あたしが伸先輩と付き合ってるってうさわが流れたからだと思う。
たぶんあたしを閉じ込めたひとはファンの子たち…
あのことはただのうわさで、本当のことじゃないのに……
だいたいっ、伸先輩も否定しないのが悪いのよ。
否定されなくて、うれしかったけどさ…。
「あーあ。付き合ってるのが本当だったら、うれしいのに…」
「……っ!柚菜!!!」
「えっ…」
飛びこんできたのは伸先輩。
一瞬だけ光を見せて、またすぐ暗い空間に戻った。