恋愛偏差値$完
じつは、初心者。
おしゃべりをして過ごす昼休み。
恋やたあいのない話や相談をされる、いつも。
いつも、は。
「先輩~…これでいいんですかぁ?」
"これ"は競争率の高いパン。
パシリとしてあたしはそのパンを奪い取ってきた。
「ん。サンキュ」
あたしに背を向けながら、後ろに手を伸ばしてパンを受け取る。
昼休み、誰もいない茶道室。
あたしは伸先輩とお昼を食べることになった。
なにも言わない先輩の後ろ姿を見つめて、いちごミルクを飲む。
伸先輩、かっこいいとは思うけどっ、性格は最悪じゃない!
「見とれてんの?」
部屋の隅っこにあたしは座っていたのに、いつのまに、先輩のド・アップが。
「ひゃっ?」
あたしは慌てて飛びあがる。
声も裏返って、顔も赤いだろうし…最悪。