恋愛偏差値$完


「でもさ…」


柚菜が顔を赤くした。


おっ、とわたしの期待も高まった。



「先輩のこと…好き、なの」


「梓先輩?!そんなの知ってるっての!」



なぁーんだ、梓先輩のことか。


期待して損した。



わたしは、柚菜の肩をばしばしたたいた。



「ちがくて…、伸先輩。のこと」


伸先輩って…


わたしはもやもやと頭の中に"伸先輩"をえがいた。



「伸先輩が好きなのっ?!」


「きゃーっ。理香、声でかい!!」


柚菜に注意されて、声のボリュームを下げた。




「伸先輩って…あの?」


わたしの頭に浮かんでくるのは、悪いうわさばかり。




「今まで、言ってなくて…ごめんね?」




そんなことはもうどうでもいいけど…。



「久穏伸ってうわさすごいんだよ?」


「そいえば、前言ってたね…」


あれ?言ってなかったっけ?

< 181 / 371 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop