恋愛偏差値$完
「でもさ…」
柚菜が顔を赤くした。
おっ、とわたしの期待も高まった。
「先輩のこと…好き、なの」
「梓先輩?!そんなの知ってるっての!」
なぁーんだ、梓先輩のことか。
期待して損した。
わたしは、柚菜の肩をばしばしたたいた。
「ちがくて…、伸先輩。のこと」
伸先輩って…
わたしはもやもやと頭の中に"伸先輩"をえがいた。
「伸先輩が好きなのっ?!」
「きゃーっ。理香、声でかい!!」
柚菜に注意されて、声のボリュームを下げた。
「伸先輩って…あの?」
わたしの頭に浮かんでくるのは、悪いうわさばかり。
「今まで、言ってなくて…ごめんね?」
そんなことはもうどうでもいいけど…。
「久穏伸ってうわさすごいんだよ?」
「そいえば、前言ってたね…」
あれ?言ってなかったっけ?