恋愛偏差値$完
柚菜はうつむいて、表情は見えない。
でもきっと、悲しい顔してるんだろうなぁ。
あたしも唇をかみ締めた。
久穏伸がまだ話してくれることに期待して。
誤解を解いてくれるって、期待。
「……女が寄ってきたから、キスしたとか。ベッドまではいってねぇけど…。本気で付き合ったのは綾香だけだ」
綾香サンってダレ??
でもきっと柚菜にはわかってるのよね。
柚菜が涙をためて、久穏伸を見上げた。
今にも溢れ出しそうな涙。
必死に涙がこぼれるのをおさえている。
「……ごめん」
わたしがいなかったら、久穏伸は柚菜を抱きしめたりするのかな。
久穏伸が柚菜の頭に優しく手を置いた。
久穏伸からは見えないけど、柚菜の瞳から涙がこぼれた。
「でも」
久穏伸がわたしを見た。
強い、真剣な瞳で。