恋愛偏差値$完
部活が終わってから、部室に尋くんと美由ちゃんが呼び出された。
あたしたちはそれを窓から見てる。
部内恋愛禁止の張り紙に背中を向けて、尋くんと美由ちゃんが座っている。
「部内恋愛は禁止だよ?」
覗いているあたしたちの後ろに、梓先輩。
先に伸先輩が振りかえる。
「梓…前からなにが気に食わないんだよ。こんなことするヤツじゃねーだろ」
え、そなの?
「別に…恋が嫌になっただけ。柚菜ちゃんのせいかもね」
「えっあたし?」
目をふせて、あたしをまっすぐ見た。
「だって、柚菜ちゃんに告白して振られたわけだし」
「ごめんなさい…」
言われても、困る。
「梓お前、しっかりしろよ」
はァと伸先輩はため息ついて、窓ではなく梓先輩と向き合う。