恋愛偏差値$完
「柚菜のせいじゃねぇだろ。だいたいお前、新たな恋路を歩んでんじゃん」
「へっ?」
新たな恋路って、だれ?!
「ばれた?ヘンなヤツアタリ。恋が嫌とかじゃないからね。部長としてだよ」
「それは、よかったんですけど。新たな恋路…?」
なに、それ?
「梓の恋。…言っていい?」
「だめだから」
にっこりした顔が少し怖かった。
「あの。なにかあったら相談とか、してくださいね」
「ありがとう。で、行かなくていいの?」
梓先輩は後ろの部室を指さした。
「忘れてた。柚菜行こうぜ」
梓先輩の新しい恋路。
梓先輩のこと好きだったけど、梓先輩に告白されたときはあたしが振っちゃって。
フツウならこんな後味のいい恋愛、できないよね。
梓先輩に恋してよかった。