恋愛偏差値$完


「美由がいて、サッカー部があるって、思ってます。心も体も強くなりました」



顧問と尋くんの強い目がぶつかった。



あたしはそれをはらはらしながら見ている。



「あ、あたしは尋先輩をこうして応援したいと思います」




顧問はまたゆっくりと目をつぶった。



「そうだな…。尋はたしかに、強くなった。技術もあがってる。美由のおかげなのか…?」



尋くんは美由ちゃんを見て、強くうなずいた。




「そうか。部内恋愛禁止は……ラブラブすぎて禁止にしたんだ」



そんな理由?!




お前らは違うんだな、と顧問は納得したようなかんじだった。




「ラブラブしすぎたら中止な。うぜーから」



うざい…ってのでこめかみが動いたけど、部内恋愛してもいいんだよね。



「ありがとうございますっ」


美由ちゃんが尋くんに抱きついて、尋くんが照れた。



でも、顧問が見てるってわかってすぐに体をはなした。




「顧問、ありがとうございます…」


部活が終わって、あたしはこれからマネージャーの仕事をしなきゃならない。



けど。


「今日はいいぞ」

< 203 / 371 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop