恋愛偏差値$完
「美由がいて、サッカー部があるって、思ってます。心も体も強くなりました」
顧問と尋くんの強い目がぶつかった。
あたしはそれをはらはらしながら見ている。
「あ、あたしは尋先輩をこうして応援したいと思います」
顧問はまたゆっくりと目をつぶった。
「そうだな…。尋はたしかに、強くなった。技術もあがってる。美由のおかげなのか…?」
尋くんは美由ちゃんを見て、強くうなずいた。
「そうか。部内恋愛禁止は……ラブラブすぎて禁止にしたんだ」
そんな理由?!
お前らは違うんだな、と顧問は納得したようなかんじだった。
「ラブラブしすぎたら中止な。うぜーから」
うざい…ってのでこめかみが動いたけど、部内恋愛してもいいんだよね。
「ありがとうございますっ」
美由ちゃんが尋くんに抱きついて、尋くんが照れた。
でも、顧問が見てるってわかってすぐに体をはなした。
「顧問、ありがとうございます…」
部活が終わって、あたしはこれからマネージャーの仕事をしなきゃならない。
けど。
「今日はいいぞ」