恋愛偏差値$完
理香の見ているほうを見てみると、たしかに伸先輩。
「あれ…。柚菜ちゃんじゃん」
伸先輩のとなりはいったいだれだろうと、見ていたら、梓先輩。
「あっ、こんにちわ」
「オス」
伸先輩もあたしに気づいて、あいさつした。
「ええと。二人で買い物ですか」
なんだかんだ言っててもやっぱり仲良しですね、と。
「梓のデートんときの服みたててやってんの」
「えっ?!デート?だれなんですかっ?」
梓先輩はにっこり怖い顔。
「秘密」
前も聞いたけど教えてくれなかったこと。
まぁ、がんばってくれればいいけどさ。
となりでずっと黙っていた理香がにんまり笑って、会話に入ってきた。
「これから、映画館に行きませんかっ」
は?とあたしは理香を見る。
「てゆーか、あたしこれからデートで。柚菜一人にさせるのも悪いし。悩んでたんですよ~」
「デーツ?」
そんなこと初めて聞いたわッ!
「だからお願いできません?」