恋愛偏差値$完
「親父…」
「そちらのお嬢さんは目が覚めたかな?」
は…
誘拐して、柚菜をこんな目に合わせたのは親父かよ…。
「てめぇ…。柚菜になにしやがった」
親父のこと、今ほど憎いって思ったのは初めてだ。
「そちらのお嬢さん、柚菜さんと伸の関係はなんなんだ?」
「………」
「伸の、恋人か?」
柚菜の手をぎゅっと握りしめる。
怒りにまかせて、柚菜に痛いと思わせてしまったようだ。
「いった!」
俺の手の握力のせいで柚菜が目覚める。
「柚菜!だいじょうぶか?おい…」
「伸先輩っ、おはようございます」
この状況に合わない笑顔でにっこりとした柚菜。
「頭おかしくなったのかよ!」
俺は柚菜を抱きしめる。