恋愛偏差値$完
「伸先輩て、お父さんに本当、似てますよね」
満天の星空を見ながら柚菜はつぶやいた。
はぁ?!あんな親父といっしょにすんなよ、と俺は柚菜を見る。
となりで、体育座りして上を見上げる柚菜とは目が合わなかったけど、星でちかちか光る瞳。
前よりも女らしくなった横顔を見て思う。
柚菜が好き。
行く前に伝えなきゃいけない。
「ふぁー。先輩眠くなってきちゃいました」
「は?!ちゃんとベッドで寝ろよ」
今は俺の部屋で星を見上げている。
柚菜の部屋だってちゃんと用意されているのに。
俺の大きすぎる服を着て、かわいいって思ってしまう。
「ちょっと、だけ…」
眠りかけのその言葉を残して柚菜は俺に寄り添って寝てしまう。
安心しきった顔を見て、
「おそうぞ。コラ」
って言ったけど起きなかった。