恋愛偏差値$完











「伸先輩て、お父さんに本当、似てますよね」


満天の星空を見ながら柚菜はつぶやいた。



はぁ?!あんな親父といっしょにすんなよ、と俺は柚菜を見る。






となりで、体育座りして上を見上げる柚菜とは目が合わなかったけど、星でちかちか光る瞳。



前よりも女らしくなった横顔を見て思う。









柚菜が好き。


行く前に伝えなきゃいけない。









「ふぁー。先輩眠くなってきちゃいました」


「は?!ちゃんとベッドで寝ろよ」



今は俺の部屋で星を見上げている。



柚菜の部屋だってちゃんと用意されているのに。



俺の大きすぎる服を着て、かわいいって思ってしまう。



「ちょっと、だけ…」


眠りかけのその言葉を残して柚菜は俺に寄り添って寝てしまう。



安心しきった顔を見て、



「おそうぞ。コラ」



って言ったけど起きなかった。


< 217 / 371 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop