恋愛偏差値$完
「おい!柚菜!」
尋くんが乱入してきた。
尋くんは、美由ちゃんがあたしに言ったってわかって、肩を落とした。
美由ちゃんは雰囲気を察して、謝ってる。
「伸先輩が転校……」
「柚菜、聞いてなかったみたいで。言ったらやばいじゃん…」
「えっと…でもこれは噂ですよっ。だから、柚菜先輩に言うことがないんですよ!きっと」
尋くん、だからあたしに隠そうとしたんだ。
あたしが伸先輩からなにも聞いてないから美由ちゃんは必死に隠してるんだ。
伸先輩からなにも聞いてない。
ずっと一緒にいたのに。
やっぱり、うぬぼれてたんだ。
伸先輩と近づけてるなんて。
恋愛対象に入ってたんなんて。
大切なことはあたしに言ってはくれないもの。
「でも噂だから。ちゃんと確認してこいよ?今のお前だと、伸先輩を疑ってるってことになるぜ」
うん。
確認してくる。
本当のことだったら、あたしはもう、伸先輩には………。