恋愛偏差値$完
「と、いうことで尋くんっ。あたしはもう伸先輩に近づかないことにしました!!」
「…は?」
明るく、なにもないふりをして。
いきなり話を切り出したのはあたし。
尋くんには言わなきゃね。
「伸先輩、あたしにうそついてたの。転校するってこと。メールで、ドコにも行かないよって。でも、梓先輩と話してた。転校のこと」
無理にでも笑ってないと涙が出てきそう。
吹っ切れてないね。
未練がましいなぁ。
「それほど、あたしのこと信用してなかったんだよ。なにも言ってくれないような関係だとは思ってたけどやっぱね。あたしは好きなわけだし。もう苦しいだけじゃん」
「……べつに。あきらめたきゃあきらめれば?伸先輩どっか行っちゃうしね。ほかにも男はいるだろうし。そしたら無理して笑うこともないだろうしね」
無理して笑ってたってわかってた?
「うん。そだね」
伸先輩にとって、あたしってなんだったのかな?
ただの、友達。
ただの……後輩。