恋愛偏差値$完
ボールを磨く、きゅきゅっという音だけが響いた。
「……柚菜ちゃんてさ」
この歯切れの悪さは…この間の続きっ??
「なんですかっ?」
身を乗り出しすぎた。
赤くなって、またボール磨きを再開する。
「恋愛相談をよく受けているよね?俺の友達も行ったって言ってたなー」
先輩もあたしに相談したいのかな?
今のあたしは、仕事モード。
「柚菜ちゃんて、よく相談受けているけど」
相談、じゃないの?
「じつは恋愛初心者でしょー?」
これだけ明るく言ってくれると、いっそ心地よい。
「ええと。まぁ」
そうだよね。成功した恋の経験者でもないのに、相談を受けているんだから。