恋愛偏差値$完
正直、伸先輩に会うのが怖い。
どんな言葉を言われるのかとか、ちゃんとあたしを見てくれるのかとか、いろいろなことを思っちゃう。
つまり…期待してる自分がいるんだ……。
なんでもいいから言葉をほしい。
言い訳があるなら、なんでも聞く。
だからあの日のはなし、もう一度説明してほしいの。
本当はあのとき、伸先輩は追いかけてくれるんじゃないかって思ってた。
けど、あの腕をはなしたっきり。
もう伸先輩のぬくもりを感じることはできないんだ。
駅前のカラオケに二時集合。
私服で。ということだった。
そこのカラオケは大きくて、サッカー部全員が入れるような会場まである。
梓先輩は前からソコを予約していたらしい。
伸先輩が行っちゃうってこと、前から知ってたんだ。
いちおうおしゃれをしていく。
いつもどおりのメイクに古着系ファッション。
お気に入りの服を出すのは、伸先輩に見られるのがこれで最後かもしれないから。
これで、最後。