恋愛偏差値$完
「ずっと前から会ってたんだよ。前から惹かれて、今もその気持ちは大きくなってってる。それは、今も変わらない。ちょっとやそっとであきらめきれるものじゃないんだ。つまり…」
梓先輩があたしにわかりやすいように説明してくれる。
あたしの気持ち。
ちゃんと引き出せなかったあたしの気持ち。
前からのあのつっかかり。
伸先輩を見るたびに思うあたしの気持ち。
あたしが、恋をしていたのはずっと伸先輩だったんだ。
「がんばって来いってこと」
「へ?」
梓先輩に目と口をふさがれて、運ばれる。
フゴフゴとするだけで、あたしの口からは空気しか出ない。
伸先輩がいるはずの廊下に出た。
揺れる感覚に伸先輩と梓先輩の声が聞こえてくる。
「…は?!梓?そいつ…柚菜じゃん……」
「柚菜ちゃんとちょっとね。今から僕と二人でホテル。予約してあるんだ」
はぁ?!なに言ってんの?!
ホテルって!梓先輩と、って…!!