恋愛偏差値$完


「ずっと前から会ってたんだよ。前から惹かれて、今もその気持ちは大きくなってってる。それは、今も変わらない。ちょっとやそっとであきらめきれるものじゃないんだ。つまり…」



梓先輩があたしにわかりやすいように説明してくれる。




あたしの気持ち。


ちゃんと引き出せなかったあたしの気持ち。


前からのあのつっかかり。


伸先輩を見るたびに思うあたしの気持ち。




あたしが、恋をしていたのはずっと伸先輩だったんだ。




「がんばって来いってこと」



「へ?」



梓先輩に目と口をふさがれて、運ばれる。




フゴフゴとするだけで、あたしの口からは空気しか出ない。






伸先輩がいるはずの廊下に出た。



揺れる感覚に伸先輩と梓先輩の声が聞こえてくる。




「…は?!梓?そいつ…柚菜じゃん……」


「柚菜ちゃんとちょっとね。今から僕と二人でホテル。予約してあるんだ」



はぁ?!なに言ってんの?!



ホテルって!梓先輩と、って…!!

< 235 / 371 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop