恋愛偏差値$完
伸先輩に電話してみようと、携帯を取り出したけどアドレス消したんだった。
がっくりとうなだれた。
恥ずかしくても、なにを言われてもいい。
だから、最後に伝えたいこの気持ち。
「っ!」
あたしは立ちあがって、走りだす。
部室の中だからまだトップスピードじゃないけど。
「おい」
「っ?!」
ぐいっと手を引かれて、走ってたあたしに強い衝撃。
腕切れそう…。
あたしは後ろから抱きかかえられていた。
だれに?
「伸先輩…」
向き合って、伸先輩の腕の中。
「柚菜……」
伸先輩の体は震えてる。
顔は苦しそう。