恋愛偏差値$完
「しっ伸先輩?!どうしたんですか?!」
震えている伸先輩になにがあったのかと、あたしは声をかける。
「柚菜っ…ウケる……!」
「え?」
震えてたのは、笑ってたから。
あたしに?
「さっきから独り言とか…爆笑。……こらえてんの、大変だったんだけど」
あたしたち、今までぜんぜん話せなかったのに。
「ひっど…今まで、ずっと…?すべてを?!」
「うん。そう。ぷっ…」
今まで恥ずかしいこととかいろいろ言ってたのに…。
伸先輩のことも言ってたのに…。
「だって…伸先輩が」
やっと、自分の位置を意識した。
伸先輩の胸の中。
しっかり伸先輩の腕が後ろにまわっている。
恋人どおしじゃないって。
まだ、気まずいんだって!!