恋愛偏差値$完
伸がいない間、梓先輩の恋とかけっこう、いろいろあったりした。
それも、そのうち。
とにかく、伸も梓先輩も後悔なく、卒業できるんじゃないかな。
「伸はなん時に帰って来るの?」
毎日電話やメールをしているけど、あたしの素直な気持ちは言えてない。
"会いたい"なんて言えなくて、遠まわしに聞いていた。
でもあと一週間でそんな思いもしなくて済むんだ。
あと一週間、一週間のしんぼう。
『帰る時間?…かなり深夜なんだけど。お前、俺んちで待ってれば?』
行きは早い時間で、帰りは遅い時間ってどーいうことよ。
「でっ、でも。伸がいないのに、あたしが伸の家で待ってたって。あたしがちょっと気まずい…」
伸の家のひとたちは、(お父さんにしか会ってないけど)いいひとだとは思う。
でもそこまでやっかいになりたくない。
『親父もさ、お前に会いたがってるみたいでさ。いっしょに俺のこと待っててくんない?』
伸はクール・ドSっていうかんじじゃなくなった。
タラシっていうイメージは最初からだったけど、今はさらにタラシ…?