恋愛偏差値$完
そっか、深夜に来るはずだったんだもんね。
「…シカトしてたのは、そのせいでかよっ!」
「ひゃ…」
伸があたしの耳元で冷たい息を吐き出した。
「しかえし。俺、ほんとに心配したし…」
後ろから抱きしめられたカッコだし、耳元で、こんなうれしいこと言われて。
誤解でよかった。
「本当に、ごめんなさい…」
「もっと、信用しろよ。振られたのかと思った」
そか…また、あたしがちゃんと伸のこと信用してしてなかったから。
「別れるのは、あたしが振られたときだよ…」
腰にまわされた腕にあたしは手をそえた。
久しぶりに会って、言われた言葉がコレで。
あたし、どんだけ幸せなの。
「俺、お前のこと好きだから…」
「あたしも…」
見上げたら、伸先輩の顔があって、伸先輩の顔が降りてきて、顔と顔をくっつけた。
一度はなして、まだ物足りないあたしに。
「あのー…遅刻しちゃってもいいのかしら?」
お母さんっ。
じゃましてくれちゃってー。
恥ずかしいし…。