恋愛偏差値$完


図星なんですね。



「あの。あれでも伸は、ひとの気持ちを考えてるひとなんです。花田さん、おもしろいですし、伸、花田さんに想われていて幸せですね」



あたしも、抱えきれなくなっちゃうくらい伸に気持ちもらってるんだ。



あたしもちゃんと、気持ちに答えられたらいいのにな。




「でもあたしだって伸のこと好きです。花田さんよりも…。だれにも伸を想う気持ち負けてないと思います」



花田さんが黙った。


わかってくれた、のかな?




「て、ことだから。花田、あきらめて?」



いつもの感じで、あたしの首に巻きついてきたのは伸。


はれ…したのひとごみのなかにいるんじゃないの?




「伸さま…っ」



「俺も柚菜のこと一番に想ってるし」




伸先輩があたしの口を大きな手で包んだ。


あたしはもごもごとするだけで話せない。




「花田のキモチはうれしいよ?でも俺にはもう、心に決まったひとがいるから」



「ごめんなさいっ」


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