恋愛偏差値$完
流れを変えるべく、あたしはほかの話題を出すことにした。
「そ、そいえばっ、どうして校門にあんなにひとがいるんですか?」
伸はここにいるのに、どうしてまだあんなひとごみが?
伸は屋上から見える校門を見て、あぁ、と言った。
「俺がいるから」
「俺?!」
伸はここにいるじゃないですか、と視線でうったえる。
「俺もどきの梓w」
梓先輩?!
輪のまんなかにいるのは梓先輩なの?
「だって、俺はお前にあんなこと言われちゃったし。せっかく早めに帰ってきたのに、会えないなんて」
「…そういえば、深夜に帰ってくる予定でしたね」
伸はまたあたしに視線を戻して、あたしのほっぺを横にのばした。
「うにっ?」
「むりやりなんかしよーとしたのは悪かったけど」
むりやり、なにか……
朝にされそうになった行為を思い出して、あたしは赤くなった。
「待つから。お前からOKでるまで待つから」