恋愛偏差値$完
『告られた。知らねぇヤツから。んで呼び出されたのがカラオケでさ。そりゃ断ったけど』
「そか…伸モテますもんね」
違うんだってばぁ~。そのほかに、もっとキレイなあのひととか!!
『あ。この間綾香が遊びに来たな。俺の親といっしょに』
なんですとーー!!
「それで?なんだったんですか?!」
『綾香が俺にー……』
そこから伸の低い声はなくなって、寝息が聞こえる。
「ちょ、伸~」
伸は寝ちゃったみたい。
部活で疲れてるもんね、と納得してあたしは電話を切った。
伸、やっぱり綾香さんとなんかあるんだ。
しかもそれを言ってる途中で寝るんて、なんてタイミングよすぎなのっ。
なんか、今思うともやもやしてきた…
伸が知らないひとと会うのはしょうがないことだけど、知ってるひとが遠くで会うのはちょいキツイ…。
しかも今疑惑浮上中の綾香さんとだなんて、伸のお父さまといっしょだし。
ただのヤキモチだってわかってる。
ただのヤキモチが落ちつくまで、伸、ちょっと我慢してて…。