恋愛偏差値$完


やっとはなしてくれたほっぺをあたしはさする。


涙目になるのは痛いからじゃなくて、伸が来てくれたから。



「なんで泣いてんだよ!!」



ほっぺに手を置いて泣くあたしの体を後ろからさすってくれる。


「だって~…」


伸の体温が心地よい。


会いたかったの。



「伸がここにいるんだもん…。綾香さんとも付き合ってなくて」



うれし泣き、って本当にできるんだね。


うれしくて泣いたの初めて。




「ごめん。不安にさせて…」



はぁあ~と大きなため息。


あたしは涙ぐんだ目で伸を見上げた。



「やっぱ、お前と会えねぇってのは無理だ…」



近づいてきて、触れ合う唇。


会えない時間ぶんの長いキス。


ぬくもりをじかに感じさせてくれる。



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