恋愛偏差値$完
柚菜ちゃんはかわいい。
ドキドキをおさえながら、俺は冷静を装って柚菜ちゃんの手を引く。
手を引く権利なんて俺にはないのに。
触れたくて、言い訳をつけて柚菜ちゃんに触れる。
こんな男の下心消えちまえばいいのに。
手を引いて映画館に入る。
映画は三角関係。
まるで俺らみたいだなと思った。
歳とか、関係ないってわかった。
なんにも、わかってなかったんだな。
それで。
『隠れて!!』
柚菜ちゃんが茂みのほうに引き寄せた。
言おうとしたのは『好きかも』って言葉。
柚菜ちゃんに引かれて、出鼻をくじいたけど。