恋愛偏差値$完
『…?!』
俺は伸をなぐろうとした。
拳は伸の顔のぎりぎりで止まって、なぐれなかった。
チキンな俺。
『…それから、お前ら付き合ったじゃん』
『綾香と俺、付き合ってなんかない。ゴメン。別れてから、綾香は俺にずっと相談してたわけ。"梓のこと、どうすればいいんだ"って。今も、それは変わらない』
俺は。
綾香の何を見て。
伸の何を信じてたんだ。
いいのは俺だ。
悪いのは伸。
ぶつからないで、逃げてただけじゃないか。
『…柚菜のこと、これであきらめてくれる?』
それはこれで話は別。
綾香は、今も変わらず好きだ。
でも、柚菜ちゃんも好き。
『ごめん』
俺の気持ちは、次で決着がつくことになる。