恋愛偏差値$完
最初、柚菜は梓のことが好きで。
恋愛テクニシャンとあろう者が俺に協力を要請してきたっけ。
ぜったい柚菜は、恋愛初心者だと思った。
でも、どんなにばかにされても、どんなに泣いても、梓をあきらめることはなかった。
俺にはない、まっすぐでちょっと単純な柚菜に俺は惹かれた。
こんな想いは届かないって、思っていた。
柚菜のことを"初心者"とばかにしたけれど、実際俺もどうすればいいのかわからなかった。
本気の恋は過去に綾香だけ。
女の中で最も信用のある、綾香に相談することにした。
『好きならさ、遠慮することないんじゃない?』
そりゃぁ、そうか。
恋だもんな。
すべてがうまくいってほしい。
俺は柚菜しかいないと思うから。
梓は、綾香とうまくいってほしい。