恋愛偏差値$完
叶わぬ恋。
あたしに相談したひとで、こんなひとは本当にいなかったのかな。
知らないだけで、けっこういたんじゃないかなぁ………
「柚菜ちゃんっ!」
「ハッ!」
先輩はもう準備していて、理香が来るのを待っている。
ぼーっと考えていたら、梓先輩が。
伸先輩はめんどうらしいので、木陰で寝てる。
あたしたちはあちらからは見えないフェンスから、先輩とこれから来る理香のようすを見ている。
「あっ、来た!」
「本当だ!!」
これでもあたしたちは小声ですからね?
先輩の顔が赤くなっているのが見える。
「あ、あのね…梓先輩?じつはなんですけど。理香は」
「彼氏いるでしょ?」
あたしの言葉を遮って、梓先輩はにっこりした。
「知ってたんですか?」
「今回は、気持ち伝えるだけってあいつ言ったから」
だからだよ。と梓先輩はにっこり微笑んでいた。