恋愛偏差値$完
それから、パーティでの伸のあいさつにあたしもついてまわる。
終始にっこりしてなきゃいけない気がして、頬が痛い。
それでも自然でいられたのが、お父さんお母さん、お父さまの前。
ありえないくらいおいしい料理を食べて、楽しい話をして。
「柚菜そろそろ部屋に戻っていいってよ」
「そうなの。ほっぺが上がらないぃ~」
伸はあたしの手を引いた。
「疲れたな」
「疲れた。眠い…」
「え?!」
伸が大声を出したからびっくりした。
「なに…」
「いや、べつに」
部屋で甘い一時を過ごそうと考えていた伸の考えをあたしは知らない。
あたしはドレスを脱いで、なぜか用意してあったバスローブに着替えた。
恥ずかしいけど、出て行く。