恋愛偏差値$完
「おう柚菜」
「んぎゃあ?!
…え、や、あの、ごめんなさい。…びっくり、して…」
あたしはドコドコなる心臓を押さえつけて、落ち着かせるために自分に風を送った。
これから起こるかもしれないことと重なって、今とっても心臓が鳴っている。
「家に二人きり、なんだけど…緊張してる?」
「…少しだけ」
伸の家の庭の真ん中には噴水。
石で彫られた獅子の口からは水が噴き出している。
最初に見たときは、変なの、と笑っていたのに、もうそこにあるのが当たり前みたいになってる。
それくらい伸の家に来て、過ごして、慣れたんだ。
「俺も」
「んっ」