恋愛偏差値$完
「…バカ…」
唇をはなして、あたしは噴水のふちに座った。
熱くなったほほに手をそえて、伸を見た。
余裕そうだ。そしてうれしそう。
「誰もいないからって、こんなとこで」
「いいじゃん。別に」
伸はにんまり笑って、あたしのとなりに座ろうとする。
「あ」
あたしがとなりを見上げたときは、伸は獅子を見つめていた。
「?何」
「あれって…」
チカチカ光るものがある。
よくわからなくて首をかしげた。
映画とかでよく見かける爆弾とかではないでしょうし。
「親父…っ!」
伸はあたしの手を引いて走り出した。
あたしの頭には、たくさんのハテナが浮かんでいるだろう。