恋愛偏差値$完
伸はというと、片手で頭を抱えていた。
「…?」
映像が、スクリーンに流される。
「――――――!!!」
声にならなかった。
その流れた映像は、あたしと伸の密着シーン。
さっきのキスも撮られていたようだ。
「これ、結婚式で流すから♪」
お父さま…、趣味だけど、映像は撮っているんですけど、隠し撮りですから!!
「やっぱり、こんなことだろうと思った…」
頭を抱えた伸が、どうしようもないとあきらめたようだった。
「噴水のところに仕掛けたカメラにも気づくなんて、さすがわが息子だ」
なんて、お父様は自慢げだ。
あたしは、口を開いたまま何度も流れる映像を見る。