恋愛偏差値$完


てゆか、あたしキスんときこんな顔なのか…。


恥ずかしすぎて、お父さまに講義することもできない。

それとさらりと言われた“結婚”て言葉がうれしかったんだ。






「てゆか親父、このためにうそついたのかよ」


「いやいや今日は記念日なんだよ。今日がなければ、り●ぷも存在しなかった。伸と柚菜ちゃんも私もいなかった」


「り●ぷ?」





お父さまは伸と同じように笑って




「去年の今日がなければ、何もなかったんだよ」






今日がどんな日なのか、あたしにはよくわからなかったけれど。


伸がいて、あたしがいて、お父さまもいて、そのきっかけが今日なら、大切な日なのかもしれない。





大切なんだ。





「…伸」


「ん?」





こちら側を向いた伸の腕を思いっきり引っ張った。

傾いた伸の顔に、あたしはキスをする。

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