恋愛偏差値$完
部活がある日はいっしょに帰るのが日課になってしまった。
あたしがマネージャーの仕事をやっているうちに、先輩たちは練習してて。
あたしの仕事が終わってなかったら手伝ってくれる。
『帰ろう』なんて言葉がなくてもだいじょうぶだと思う。
いつもどおり、あたしがまんなかで右に伸先輩、左に梓先輩。
いつもどおりーーなんだけど。
いつもどおりに接することのできないあたし。
『…あいつもさ、タメか年上の方がよかったのに。だって、年下ってありえないじゃん。……俺、先行ってるね』
"年下はありえない"
そう言われてから、接するのがこわくなった。
「柚菜ちゃん、だいじょうぶ?」
「えっ?あ、はい。だいじょうぶです」
優しさは、変わらないのに。
「ぼーとしてるからびっくりしたよ」
妹として、あたしを見ているのかも。