恋愛偏差値$完
いつもはない伸先輩の言葉。
え、とあたしは伸先輩の顔を見上げてしまった。
伸先輩はグラウンドから視線を移さずに話し続ける。
「梓もさ、ほら、がんばってるし。相手とか、関係ねぇんじゃね?」
今回戦っている相手は県ベストエイト。
キャァァアー
歓声が沸きあがる。
1-0
試合終了の合図が鳴った。
「勝った…」
この試合は勝利だ。
続けて、第二試合目がある。
「さて、と。俺行くかな」
「どこに…?」
「試合。血、止まったし」
出れないでしょ!!
あたしは顧問を見た。
なにも言わない。
つまり、試合に出てもいいってことね。