恋愛偏差値$完
また、前と同じように大事なトコロを蹴ろうと思った。
「っきゃっ?」
手をひかれて、転びそうになったかと思えば尋くんの胸の中。
体に顔がおさえつけられていて、声を出すことができない。
んもーう!!
そのまま、尋くんの体が進みだす。
「尋?」
誰かの声が聞こえて、尋くんは止まった。
あたしを胸の中にしまったまま、そのひとたちと話している。
「ラブホ街で会うなんて、なんかキモいな」
伸先輩?!
「先輩たちは…男どおしでラブホ街に?」
「通りかかっただけ」
「抱きしめ合ったまま、会話ですか…」
梓先輩の声!!
あたしはさっきよりもがもがと抵抗する。
「あ、こいつ恥ずかしがってるらしくて」
「つか、はなしてやれよ。苦しそうじゃん」
あたしに気づいてーー!!