恋愛偏差値$完
伸先輩の手のすきまからは、太陽と同じくらい赤い伸先輩。
あたしなんかしちゃった?
恥ずかしいこと言っちゃった?
「先輩…どして赤くなってるんですか?」
「なんでもねぇから!気にすんな!!」
そう言われるとますます気になっちゃうんですけどー。
「……柚菜ちゃん?そして伸?」
中庭の木の陰から梓先輩が顔をのぞかせた。
なにしているの?という顔つき。
今ヘンな体勢なんだったー!
あたしの顔には伸先輩の手があって、その手の上にあたしは手をそえている。みたいなかんじだし。
「俺、伸のこと探しに来たんだけど…邪魔しちゃった?」
いつもの梓先輩なのに目を合わせてくれない。
それくらい、嫌われちゃった?
「ちげーよ。こいつに購買のパン買ってきてもらっただけ」
あたしの顔からあっさりと手をはなして、立ち上がった。
「え?伸?」
ドコ行くの?と梓先輩。